総 括 : 片 手 バ ッ ク ハ ン ド シ ョ ッ ト の 問 題 点
  
  間違いだらけの技術解説・・・IMGアカデミーでもスイングの技術/物理学を教えないようです  2018-2-7
  
  「片手バックハンドに力を入れ難い」と言うのが、ここ数十年もの長期間、硬式テニス解説者の決まり文句となっていますが、誰一人として、
  その理由が何であるかを真剣に考えようともしないどころか、片手バックハンドに関する解説の前提条件を「片手バックハンドに力を入れ難い」
  としていますから、解説内容は、殆ど100%が旧態依然としていて、パワーアップのためには、何の役にも立たない弥縫策に堕しています。

  さような弥縫策の実効性のないことは、何十年経過しても、アマチュアだけでなくトッププロ選手までもが、片手バックハンドを苦手とし、
  凡ミスが多く、ボールを強く打てない現状が物語っています。両手打ちが主流となっているのも、その厳然たる証拠であり、結果です。

  ※テニス誌などで、解説者は一部の外人トッププロ選手の時代遅れの片手バックハンドが正しいと盲信し、お手本として真似するよう
  熱心に推挙しますが、彼らの片手バックは殆ど全てが間違いですから、非力な日本人が真似しても時間/労力/費用の無駄です。

  テニス誌にお手本として最も頻繁に登場するプロ選手はフェデラーですが、掲載される写真は、何故か決まって、パーフォーマンスが
  派手で一見格好良く見えますが、不自然、複雑で非合理的なフエイクタイプ=<押すスイング>の片手バックハンドを打つフェデラーです。
  フェデラーはどちらかと言うと腰高であり、打点が低いショットが苦手のようですが、打点が高い場合には、肘を上げ、<EEタイプ>の
  <引くスイング>で片手バックハンドを打ちます。フェデラー以外にもバブリンカなど、少数のプロ選手は、常時ではありませんが、
  片手バックハンドを<EEタイプ>で打ちますから、何故、解説者は彼らの連続写真を選んで掲載しないのでしょうか。

  IMGアカデミーでも、運動能力の向上を目指すトレーニングは行うようですが、グリップの重要性やスイング理論を教えないようです。
  片手バックハンドを諦めて、両手バックハンドしか教えないのか、米国育ちの片手打ち選手は殆どいないようです。
 

  遅れている片手バックハンドの進化・・・現在の地位に安閑としているトッププロコーチの不勉強と怠慢が進化を妨げています
  

  米国の著名なプロコーチであるゲイブ・ハラミロ氏が、2013年にあるテニス月刊誌上で、片手バックハンドの進化はフォアハンドと比較して
  遅れていると指摘し、将来は両手打ちが主流となると述べており、欧州の著名なプロコーチ(生体力学者?でもあると言われている)である
  リチャード・ションボーン氏も、ハラミロ氏と同様、両手打ち主流論を唱えていましたが、何故、片手バックハンドの進化が遅れているのか
  その理由と改善法を考えようともしなかったお蔭で、進化は未だに停止したままです。
 
  進化が遅れている理由・・・プロ選手が身体で覚えたテニスには限界があるのです・・・たゆまぬ思考/試行錯誤を怠っています 

  ボールを打つのは手の平であること、バックハンド(ウエスタン/セミウエスタングリップ)の場合、手の平とは親指の付け根の膨らみ部分・・・
  手相占いで金星丘=ヴィーナスヒル・・・であること、スイングとはラケットを持つ腕の肘を振ること、利き腕が前肩にあるバックハンドと後ろ肩にある
  フォアハンドとでは、肘の使い方が全く異なること・・・つまり、フォアハンドのスイングは、肘の推進力を用いてラケットを打点に向けて押し出す
  <押しのスイング>であり、バックハンドのスインググリップは、フォアハンドとは逆に、肘の牽引力を生かしてラケットを打点に向けて引き出す
  <引きのスイング>であることなど・・・グリップの重要性やフォアとバックとではスイングのメカニズムが異なること等など・・・即ち、スイングの
  物理的原理・原則が、テニスを頭(理性)を使わずに、専ら身体(本能)に覚え込ませたただけのプロ選手/コーチには全然判っていないことと、
  スポーツ科学者によるスイング理論の欠如が、片手バックハンドの進化停止どころか退化進行の原因であると思われます。

    

  正しいグリップと肘の使い方を覚えるだけでも、正しいバックハンド理論の広範な普及がなされれば解決する問題なのにです。

  ・・・日本人コーチの皆様の奮起が期待されます。片手バックに強いアマチュアや日本人プロ選手を育てるべきです。
    <EEタイプ>の片手バックは、省エネタイプですから、体力の消耗が少なく、スタミナの温存に極めて有効であり、
    基礎体力で外人に劣る日本人選手向きです。是非マスターしていただきたいと思います。

  

   片手バックハンドを打つプロ選手・・残念ながら、少数派です。正しい<EEタイプ>の広範な普及/定着は未だ遅れるようです
  
   ※現在、常時確実に<EEタイプ>を打つ技術を理解/習得出来ているプロ選手は誰一人として存在しません。
    ・・・ 特別の技能を必要としない、ごく自然でシンプルな省エネスイング打法であり、私のテニス仲間にも何名かいるのに!。


   *WIKIPEDIA などの選手名鑑に強力な片手バックハンドを打つ選手として、バブリンカとスアレスナバーロが紹介されています。

   *スアレスナバーロ(スペイン)は2014年に有明の森で開催された東レPPOパン・パシフイック・オープンで彼女のゲームを
     観戦しましたが、小柄な身体にも似合わぬ強力な<EEタイプ>のストロークを打っていたのが、目に焼き付いています。その翌年の
     東レPPOはTVで観戦しましたが、堅実な<EEタイプ>のスイングが出来ていました。近年は彼女のゲームを観戦する機会が
     ありませんが、両手打ちに替えたという噂も聞きます。最近は歳のせいかWTAランクも下げて来ました。

   *ワウリンカ(スイス、ドイツ語読みではバブリンカ)のゲームはTVでしか見ていませんが、2014年ごろには、まぎれもなく正統派
     <EEタイプ>の素晴らしい片手バックハンドを多発していました。一時は正統派バックハンドの先駆かと期待していいましたし、
     昨年はマッケンロウに片手バックハンドの第一人者と絶賛されていたのですが、最近はFAKEタイプの下手糞な片手バックを打つ
     ケースが多く失望しています。
     ATPランクも急降下している低迷の原因は、彼は力で相手に打ち勝つ選手ですが、打球の構造りがいつものことながら粗雑なことと、
     トップスピンを巧く掛けられないことで迷っていることだと思います。彼の<グリップミス+身体の捻り戻しを伴うフォロースルー+
     スピネイション>では常時力強く正確で安定したトップスピンを打つこと自体が至難の業だと思います。バブリンカが格下の選手に
     ころころと負けるのは、片手バックを巧く打てないゲームの時です。いずれにせよ、腕力は強いが頭が空っぽ?で思考錯誤を怠り
     スイングの理論を持たないプロ選手の将来性は全く期待出来ません

   *片手バックを打つプロ選手は他にも、フェデラー(スイス)、ディミトロフ(ブルガリア)、ティエム(オーストリア)、シャボパロフ(カナダ)、
     クエリー(アメリカ)、ラオビッチ(セルビア)、ダルシス(ベルギー)、シモーネ・ボレリ(イタリア)、アルマグロ(スペイン)、
     コールシュライバー(ドイツ)、ガルシアロペス(スペイン)など大勢います。彼らの中には、稀に・・・グリップが偶々バックハンド
     ウエスタンになった場合?などには ・・・ <EEタイプ>の片手バックを打つこともありますが、殆どの場合、<FAKEタイプ>で
     打っているのが現状です。

   ※<EEタイプ>が普及/定着しないのは、テニスを頭(理性)を使わず、身体(本能)だけで覚えるテニスには限界があることを
    示しています。正しく理論武装した優秀なリーダー(スポーツ科学者)/プロコーチ/プロ選手の出現が望まれます。


 
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